シイタケの種菌の品種には、高温性・中温性・低温性の3つに大別されます。
全国食用きのこ種菌協会の会員である秋山種菌研究所の代表的な品種の特性から以下の通りがあります。
高中温性の品種(品種名 A-567)は、周年性でキノコは中型・小型が多く、発生温度は10~25℃で春秋に自然発生する。
中高温性の品種には品種名A-580と A-526があります。A-580の特性は秋春ともキノコの発生が盛んです。A-526の特性は大型、肉厚で品質も極上で発生は春が盛んです。発生温度は、ともに8~20℃です。
中低温性の品種(品種名 A-221)は、大型、肉厚で発生温度は8~20℃です。
低温性の品種(品種名 A-567)は、大型で肉厚で寒冷地向け、発生は春が盛んで発生温度は6~18℃です。
さらに、シイタケの種菌には駒菌とオガ菌とがあります。
駒菌は植菌作業がオガ菌より簡易なことから林内栽培で多く用いられています。植菌後2年目以降のキノコの発生で収穫になります。
一方、オガ菌は駒菌よりほた化が早いので、植菌後の初年度の半年でキノコが発生し収穫ができます。
キノコの品種の特性を充分把握したうえで、栽培環境や収穫時期などを考慮して品種の選定にあたるのが望ましいことです。
一般にシイタケを栽培するに適しているとされる原木の樹令は、コナラ・ミズナラが15~20年、クヌギが8~15年、シイ・シデが20~30年といわれています。
原木の太さは、大径木・中径木・小径木とに分けられ、主に大径木・中径木がシイタケ栽培の原木として用いられます。
原木の伐採は、秋の紅葉が終わり葉がほとんど落ちた頃から翌年春に樹木が水あげを開始する前までの時期に行います。
原木の伐採後、なるべく早く玉切りを90cm~100cmの丈で切りそろえます。
これは原木を乾燥させずに早く植菌させるためです。
切りそろえるのは、その後の作業をし易くするためです。
止むを得ず玉切りした原木を長期に保管する場合は、農業用シートやむしろなどで包んで直射日光や強風で乾燥しないように防ぎます。
また、玉切りした原木の取り扱いで充分注意しなければならないことは、玉切りの作業、移動や植菌の時に樹皮や木口に泥が付かないようにします。
これは玉切りした原木に雑菌が進入するのを防ぐためです。
樹種別の特徴について述べます。
まず、コナラはシイタケ栽培で最も多く使われる原木で、クヌギに比べ樹皮部は薄く心材部も多いがシイタケ栽培に適していて、発生キノコの質・量ともに良いものが採れます。
クヌギはコナラに次いで多く使われ、樹皮部は厚く、辺材部は堅くシイタケ菌糸の伸長はコナラと比較して遅いが、心材部は少なく辺材部の占める割合が多いので養分が豊富で発生キノコの質・量ともに非常に優れています。
ミズナラは、コナラより樹皮部は少し薄く、辺材部は少し軟かく、シイタケ菌糸の伸長は早い特徴があります。コナラと同様に発生キノコの質・量ともに良いものが採れます。
シイやシデは、心材部がないのでキノコの発生量は多いが、樹皮部が薄く乾燥しやすいのでキノコの質が少々落ちる。樹令の若いものは避けて伐採し、伐採後なるべく早く植菌することがのぞまれます。
クリは、辺材部が少ないのでほた化が早くキノコの発生も早いのですが、キノコの発生量は少なく、ほた木として他の樹種と比較して寿命も短いとされています。
このような特徴からシイタケ栽培には、コナラとクヌギが最も適しているのではないでしょうか。
シイタケ栽培は、現在では原木栽培と菌床栽培によって行われています。
林野庁まとめによると全国の19年度シイタケの生産量は、乾シイタケが3,565トンで生シイタが原木栽培15,951トン・菌床栽培51,205トンの計67,154トンとの統計がされています。
これはエノキタケ、ブナシメジに次ぐキノコの生産量です。
なお、乾シイタケはもちろん原木栽培です。
シイタケ栽培を通して、原木栽培と 菌床栽培の方法をより詳しく紐解いてみます。
まずは原木栽培について述べます。
シイタケ栽培に適している原木の樹種は、コナラ・クヌギ・ミズナラ・シイ・クリ・シデなどと言われています。
これは原木の構造に起因しているところが大きいとされていて、原木の構造は樹皮部・木質部(辺材部・心材部)に分けることができます。
樹皮部は、厚いものは乾きにくい性質があり、厚いものほど良質なキノコが採れます。
辺材部は、シイタケ菌糸の養分になる部分であり、原木の辺材部の占める割合が多いものが良質とされます。
一方心材部は、シイタケ菌糸が伸長しにくい部分なので少ない方が良いとされます。
キノコの生産量は、エノキタケを筆頭にブナシメジ、生シイタケ、マイタケ、エリンギ、ナメコ、乾シイタケ、ヒラタケの順だそうです。
シイタケが一番かなと思っていましたが、エノキタケなんですね。
エノキタケは鍋物に欠かせませんし、ブナシメジは使いやすい食材だからでしょうか。
これらのキノコの栽培法には、原木栽培、菌床栽培、そして堆肥栽培の3種類の方法があります。
原木栽培は、伐採したクヌギ、コナラ、カキ、クリなどの落葉広葉樹のほだ木に種菌が増殖した駒木を打ち込み栽培する方法で、主にシイタケの栽培に用いられています。
菌床栽培は、オガクズやチップ等の培地、栄養剤、添加剤や水などの混合物をキノコの培地として利用し、それらの培地を瓶などの容器に詰めて栽培をする方法で、シイタケ、エノキタケ、ブナシメジ、マイタケ、エリンギ、ナメコ、ヒラタケなどの栽培で用いられています。
堆肥栽培は、培地に稲ワラを主体とした堆肥を使用して栽培する方法で、マッシュルームなどの栽培で用いられています。
原木栽培は気温や降雨などの気象の条件により生産量が大きく左右されることなどから、安定した生産が見込め管理のしやすい菌床栽培の占める割合が多いんだそうです。
このブログではキノコの菌糸や種子をメインテーマにすえ、農業全般について綴っていきたいと考えています。そして私は自分の家で食べる程度ですが米と野菜を作っていますので、そんな話題も織り交ぜていこうと思います。
今日は、まずメインテーマであるキノコについてです。
皆さんはキノコといえばすぐ何を思い浮かべますか?
シイタケ、ナメコ、エノキタケ、シメジ、マッシュルームやエリンギなどを思い浮かべる方がきっと多いと思います。
スーパーで年間通して目にすることが出来ますし、食することが出来ますものね。
これらのキノコは人工栽培によって育てられ、家庭の食卓に届けられています。
キノコの人工栽培の歴史は、世界では17世紀のフランスでマッシュルームの人工栽培が成功し、1707年フランスの植物学者トゥルヌフォールにより栽培法の著書があります。
日本でも江戸時代中頃(1660年頃)には、ほだ木に天然の胞子が付着するのを待つシイタケ栽培が行われ、豊後(大分県)の岡藩の古文書に1666 年(寛文6 年)シイタケ栽培の記録があります。エノキタケの栽培は、シイタケ栽培より古く江戸時代初期と言い伝えられています。これらは半自然栽培で、明治以降より本格的な人工栽培が行われるようになりました。
キノコの栽培って、結構古くから研究され実践されていたんですね。
先人の長年の研究と努力によって、おいしいキノコがいつでも食べられるんですね。